公開日 2025年12月23日
12月13日、島根大学ラフカディオ・ハーン研究会学生部のメンバー7名がゴーストツアー勉強会に参加しました。
一般社団法人松江観光協会が主催する松江ゴーストツアーは普段夜間に行っていますが、今回特別に昼間に語り部の方をお招きして、一部体験させていただきました。
現在 島根大学ラフカディオ・ハーン研究会学生部には10名が所属しており、松江にゆかりのある小泉八雲に関連する活動を行っています。
今回のゴーストツアーは今年度初めての活動になりました。
まず、月照寺の入口にて八雲の生い立ちについて紹介していただきました。
八雲の出身地や松江での生活をフリップ形式で説明いただき、中でも印象的だったのが、八雲はかつてこの月照寺の場所に自身のお墓を建てたいと言ったそうです。
月照寺には松江藩初代藩主松平直政のお墓があり、廟門には虎と竹の彫刻が施されています。

(松平直政のお墓の入り口にある廟門を見る参加者と説明する語り部)
境内に入ると左手に連続テレビ小説「ばけばけ」でも登場した大亀像があります。
この大亀像は七代治郷公(不昧公)が父六代宗衍の願いのもと、長寿を祈願するために建立した像で、「親孝行亀」とも呼ばれているそうです。
ここでは大亀伝説の怪談を聞かせていただきました。また月照寺ではライトアップを夜間行っており(12月14日終了)、そのライトアップされたときの大亀の画像も見せていただきました。
今回は昼間なのでそこまで怖くはありませんでしたが、夜間は緑色に照らされおどろおどろしく、より一層怖くなると感じました。
(長寿祈願のため、大亀をなでる参加者)
次に、清光院というお寺に向かいました。
ここでは、耳なし芳一の怪談を聞かせていただきました。
耳なし芳一のお話を全て語ろうとすると45分ほどかかるそうで、ゴーストツアー用に7分ほどに短縮したバージョンを語ってくださいました。
あらすじを知っている方も多い有名なお話ですが、お話に加えて耳なし芳一がうまれた背景も聞くことができました。

(清光院にて実際のゴーストツアーのように階段に腰かけて語りを聞く参加者)
最後にゴーストツアーの最終地点である大雄寺に伺いました。
大雄寺は住宅街の中にポツンとあるお寺です。お寺の周りにお堀がありますが、昔は殿様が船に乗り、通行していたそうで、堀沿いの家は殿様を上から見下ろすことがないように堀側に窓をつけることが禁止されていたそうです。
ここでは、「飴を買う女」という怪談を聞きました。

(大雄寺にて語りを聞く参加者)
<語り部の方のご感想>
語りには語りの力、場の力、聞き手の力の3つの力が必要です。
子どもは普段からお話を聞く機会が多く、聞く姿勢が上手ですが、大人は話をどうやって聞くべきか考えることが多いです。
しかし、ゴーストツアーの最終地点の大雄寺では自分なりの聞き方を見つけ、聞き手の力が高まっているので、語りは緊張します。
普段は夜暗い中お話するので、昼間の明るい時間帯に語りをするのはとても新鮮でした。
<参加者の感想>
初めてゴーストツアーに参加させていただきましたが、語りは臨場感があり素敵だなと感じました。
語りと場所がリンクしていて、実際にその場所に赴くことでしか感じられない雰囲気を感じ取ることができました。
3か所とも歩いて行くことができるほどの近い範囲に八雲ゆかりの場所があることに驚きました。
これからの八雲の活動に生かしていこうと思います。
当日はいい天気に恵まれ、1時間半ほどの短い時間でしたが、貴重な体験をさせていただきました。
現在「ばけばけ」で松江へ観光に来る方々が多くいらっしゃるので、今後も小泉八雲を盛り上げる活動を取り上げていきたいと思います。
(取材・撮影:学生広報サポーター T.S)