【プレスリリース】寒い日が続くと眼圧が上がりやすいことが明らかに

公開日 2026年01月22日

 医学部附属病院眼科の吉田悠人助教、谷戸正樹教授をはじめとする研究グループは、当院の外来患者さんと出雲市の気温データを解析し、寒い時期に眼圧が上がりやすいことを明らかにしました。この調査は、出雲市の気温の変化が眼圧に与える影響を、当院の外来患者さんのデータを基に解析したものです。平均気温が2.2度~12.2度となる冬場の時期には眼圧が上がりやすいこと、気温の眼圧への影響には数日~数週間の遅れがあることがわかりました。

 眼圧(目の中の水圧/眼球の硬さのこと)の上昇は、緑内障の発症・進行に関わる最も重要なリスク因子の一つです。屋外の天候、特に気温が眼圧に影響しうる事は知られていますが、どの様に影響するかはまだ十分に解明されていません。過去の研究では眼圧と季節変動との相関的な関係は示唆されていましたが、詳細な関連や、気温の変化が数日〜数週間後の眼圧にどのように影響するか(ラグ効果)については未解明でした。

 そこで、当院の外来患者さんを対象に、2018〜2023年に測定された約34,000件の眼圧データと、同期間の日ごとの気温データを使い、気温と眼圧の関係について検証しました。その結果、寒い時期に眼圧が上がりやすいことに加えて、気温の眼圧への影響には数日〜数週間の遅れがあることがわかりました。

 本研究は、眼圧が単に眼圧測定日の気温との単純な対応ではなく、日々の気温の変化に影響されることを示しました。眼圧は気温が変化したからといってすぐに変化するのではなく、寒い日が続いた後に上がってくるという関係(ラグ効果)が検出された点が画期的です。研究グループは、現在、気温のラグ効果が何によって決まるのかについても解析を進めています。この知見は、今後の緑内障管理や治療戦略の改善につながる可能性があります。気温が低くなるこの時期、山陰では眼圧が上昇する患者さんが多く見られます。気温と眼圧との間にある詳細な関係が、実際の臨床データを用いた解析により明らかとなりました。

 

  本研究は、眼科学・視覚科学分野の国際学術雑誌「IOVS」に掲載されました。

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