公開日 2026年07月30日
医学部救急医学講座の佐藤利栄助教が、このたび米国内科学会(American College of Physicians : ACP)日本支部年次総会・講演会において、臨床研究部門の最優秀演題として「黒川賞」を受賞致しました。
ACP日本支部年次総会は、内科学・総合診療に関する最新の知見を共有する学術集会であり、「黒川賞」は、ACP日本支部初代支部長である黒川清先生の功績を記念して設立された賞です。一般演題の査読を経て選出された候補演題による英語での口頭発表が行われ、その内容や発表の質を総合的に評価し、臨床研究部門および症例報告部門それぞれの最優秀演題に授与されます。
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受賞演題は、「Shippu Dependence and Its Association with Insomnia and Depression among Agricultural Workers - A Cross-Sectional Study」です。日常診療では、湿布の処方を強く希望される患者さんにしばしば遭遇します。その背景には、湿布の薬理学的な効果だけでなく、「湿布を貼っていると安心する」という心理的な要因が関与しているのではないかという着想から研究を開始しました。本研究では、米国精神医学会の診断基準であるDSM-5の物質依存症スクリーニングを応用した質問票を用いて「湿布依存様患者」を抽出し、不眠やうつ状態との関連を横断的に検討しました。その結果、湿布依存様患者では、非依存様患者と比較して不眠やうつ状態を有する割合が高いことが示され、その背景にある心理・行動学的メカニズムについて考察しました。
佐藤先生は、「英語による口頭発表は非常に緊張しましたが、これまで積み重ねてきた準備や努力が実を結び、大変うれしく思います。また、『湿布依存』という、日常診療で抱いた素朴な疑問から生まれた着想そのものを評価していただけたことは、研究者として大きな励みになりました。今後も臨床現場の課題を研究につなげ、患者さんに還元できるエビデンスの創出に取り組んでいきたいと思います。」と話しています。

【お問い合わせ】医学部総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531