2021年度JST日本・アジア青少年サイエンス交流事業(SAKURA SCIENCE PROGRAM)がバングラデシュとオンラインで結んで行われました

公開日 2022年03月10日


 JSTの2021年度日本・アジア青少年サイエンス交流事業により2月28日(月)~3月1日(火)にオンラインでバングラデシュ国立農業研究所 (BARI)と島根大学生物資源科学部附属本庄総合農場を繋いで、「バングラデシュ若手研究者向け養液栽培研修」を実施しました。
 本プログラムは2018および2019年度に実施されたプログラムに引き続き、2020年度に採択され、バングラデシュから若手研究者を日本に迎えて研修を行う予定でしたが、残念ながらコロナ禍で2021年度に延期されました。また、本年度になってもバングラデシュからの来日が難しく、オンラインでの実施になりました。
 バングラデシュは、面積が日本の約4割、人口は1億6千万人を超えています。主要産業は衣料品・縫製品産業と農業です。日本にもバングラデシュから「ジュート製ロープ」などが輸入されています。バングラデシュでは今まで他国の技術支援で化学肥料や殺虫剤を多用して作物を栽培したため、土壌の環境汚染や残留農薬により農作物の品質低下を招いています。そこで、バングラデシュの若手研究者を日本に招致し、土壌を使用しない養液栽培技術を習得し、バングラデシュの安全な食料生産と貧困農家の所得向上を目指していましたが、オンラインでの開催としました。
 研修1日目の2月28日には、オープニングで島根大学国際センターの青センター長から歓迎の挨拶があり、生物資源科学部の浅尾教授より、2日間のスケジュール、本プログラムの経緯・目的などの説明、講義「Basic information on Hydroponics and Soilless Cultivation, History of Japanese Hydroponic Culture」が行われ、バングラデシュからは島根大学に留学していたAsaduzzaman研究員から「Present status and Prospects of Hydroponic Culture in Bangladesh」のプレゼンが行われました。最後に、島大アンバサダーによる大学紹介ビデオと島根県の紹介ビデオが流されました。
2日目の3月1日には、講義「Research activities of Shimane University in Hydroponics」の後、オンラインでバングラデシュと繋ぎながら、実習「メロン播種、育苗、そして培養液作成など」、培養室(LEDや養液栽培装置)や分析室(酸分解装置、原子吸光光度計、HPLCなどのデモンストレーション)、そしてハウス内の養液栽培装置の視察を行いました。その後、教室に戻り、総合討論でも多くの質問があり、中には来年度も継続、できれば来日を望む声がありました。最後のクロージング・セレモニーではバングラデシュ国立農業研究所のDebasish Sarker所長よりご挨拶がありました。
 今後、彼らがバングラデシュでどのように養液栽培技術を発展させ、バングラデシュ国民の健康と農家の所得向上を担っていくのか、彼らの活躍を願いつつ、本プログラムを修了しました。

  
バングラデシュからの参加者        浅尾教授からの講義

  
実験室からのライブ実習          ハウス内養液栽培装置のライブ視察


お問い合わせ先:
島根大学生物資源科学部
浅尾俊樹
Email: asao@life.shimane-u.ac.jp(送信の際は@を半角にしてください)