体験学修プログラムで児童・生徒自身の気づきを促し、待つ姿勢を獲得(教育学部・三宅 祐輝)

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Q まずは三宅さんご自身の専攻について教えてください。
A 教育学部学校教育課程言語教育専攻国語教育コースの1年生です。出身は岡山県なのですが、教育学部の「1000時間体験学修」で学びたいと思い、島根大学に進学しました。今は、その1000時間体験での経験を通じて、島根県で就職するのもいいかなと思い始めています。もともと日本語が好きで、普段使わないような難しい言葉を知って実際に使ってみることが楽しいと感じて国語教育コースに決めました。そもそも教師になりたいと思ったのは、中学校の部活の恩師や、高校の担任の先生から、声をかけてほしいときに必要な言葉をかけていただいた経験があるからです。私もそのような人になりたいと思っています。

Q 素敵な恩師と出会ったのですね。将来は学校教員を目指しているのでしょうか。
A はい。ただ、三瓶青少年自然の家や児童クラブのような社会教育施設にも興味があります。学校の教員は1年間を通じて生徒と関わり成長を促しますが、社会教育施設では1日限りなど、その時に来た子どもと関わり、短期間で子どもの成長を促す必要があります。1000時間体験で三瓶青少年自然の家で活動した際、自分から行動できなかった子どもが、三瓶での活動を通して役割分担したり自分から行動したりすることができるようになる姿を見ました。短期間のかかわりで学習を促す難しさはありますが、やりがいもありそうだと感じています。

Q 今回ギャップタームで行った活動について教えてください。
A 教育学部の1000時間体験学修で、8月26日から31日までの約1週間、隠岐島の知夫村の知夫小中学校で「ふるまい向上合宿」に参加しました。ふるまい向上合宿は、自分たちで生活できるように生活力を向上させることを目的として教育委員会が主催している行事で、知夫小中学校の中学生16人がみんなで寝泊まりします。2学期開始後1週間、1年生は学校に通いながら、2年生は職場体験をしながらこのふるまい向上合宿を行い、寝食を共にします。私は中学生の班のリーダーとして彼らの日常生活のサポートを行いました。また、彼らが合宿所にいない日中は、知夫小中学校の授業観察実習を行いました。

Q リーダー役として心掛けたことなどはありますか。
A リスクマネジメントには気を配りましたが、同時に中学生が自分たちで意識しながら行動して生活できるようになるため、できるだけ生徒自身で考えたり気付かせたりするようにこころがけました。また、なるべく早く生徒と打ち解けられるように意識していましたので、初日で班の子と打ち解けることができました。

Q 観察実習にも行ったそうですが、そちらはどうでしたか。
A 観察実習では、複式学級を初めて観察させていただきました。小学校5、6年生の学級を観察しましたが、先生が5年生を指導している間は、6年生は自分たちで授業の目当てを設定して自分たちで授業を進めていることにとても驚きました。岡山県も北部は過疎化が進んでいて少人数クラスや複式学級もあります。観察できたことは今後の経験に活かせると思いました。また、生徒のつまずきに気付く観察眼を養う必要性や、事前につまずくポイントを想定し、次の一手をシミュレーションする能力の必要性を感じました。

Q 今回の経験から得た気づきや、自分自身が成長したと感じた点はありますか。
A ふるまい向上合宿には、生徒自身で生活できるようにするという目的がありました。その支援を経験することで、正解をすぐに与えるのではなく生徒の気づきを待つことができるようになったと思います。生徒が自分で考えて行動した結果であれば、失敗してもいいので、経験として深みが増すと思います。ヒントは与えながらも自分で気付かせることが大事だということを学びました。

Q 今後、特に取り組んでみたいことなどはありますか。
A これまでは生徒指導や生徒との交流が中心でしたので、学習支援ボランティアや放課後学習のような学習指導を行うような体験がしたいです。3年後期には本格的に教育実習も始まります。私は子どもと近い距離で接するときに自分の力が発揮できると思っていますので頑張りたいです。

Q 島根大学のギャップタームは長く設定されていますがどう思いますか。
A 長期間なので自由度が高く、今回のような1週間の体験に参加しても、まだ他にもいろいろなことにチャレンジできると感じます。そもそも、子供と関わることができる1000時間体験がやりたくて島根大学に入学したので、とても満足しています。今度はサンレイクの1週間のキャンプに参加したいと考えていますが、長期間のギャップタームだからこそできることだと思います。今後も子どもと関わる期間にしていきたいです。

Q 後輩へのメッセージなどありますか。
A ギャップタームは自分を見つめなおす復習期間だと思います。自分自身が気付いた改善点を修正できる期間だと思うので、ギャップタームを自分でデザインしてほしいと思います。