海外の挑戦的な環境に身を置くことで、自分の成長点を発見する(総合理工科学部・瀧宮 暢斗)

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Q まずは瀧宮さんご自身の専攻について教えてください。
A 総合理工学部の物質化学科2年生です。将来、技術職や研究職になりたいと思っていて、理工特別コースに所属し、大学院への進学も考えています。専門は化学ですが、身の回りには化学物質が多く使用されていて、その構造や生成過程などを知ることが楽しく感じています。また、化学は物理や数学よりも、直接的に社会に役に立っている教科だと感じています。将来は化学に携わって社会に貢献できるような仕事に就きたいと考えています。理工特別コースには2年次から所属しており、英語のプレゼンやポスター発表の課題などもあります。大変な部分もありますが、教授と専門分野について1対1で対話したり、先輩方の実験を間近で見たりと、多くの知らないことを学ぶことができるので充実しています。

Q 英語のプレゼンとは大変ですね。英語に対する抵抗はありませんか。
A 今年の春にフロリダに1か月間留学に行った経験が大きかったかもしれません。フロリダでは現地の学生と交流したり、キャンプやディズニーランドに行ったり、土日はホームステイを行うなど、英語を使用する場面が多かったので、英語で話すこと自体は苦にならなくなりました。元々、国際的にも通用する技術者になりたいという志望もありましたし、英語力を高めるためにも留学を決めました。

Q フロリダではすぐに英語は話せましたか。
A 留学前に2週間の練習期間のようなもので設定されていました。集中的に英語の授業を受けたり、昼休憩に英会話したりしましたので、少しは話せるようになりました。また、一緒に留学に行った人が法文学部の言語文化学科の方が多かったので、現地では最初は彼らを頼りにしました。この経験のおかげで、英語で話すことへの心理的ハードルは下がったと思います。

Q 今回ギャップタームで行った活動について教えてください。
A 8月5日から8月19日の間でベトナムのホイヤンに海外課題解決型就業体験プログラム(海外ビジネス武者修行プログラム)に参加しました。このプログラムは、現地のお店の経営に日本各地の大学生3~4人でチームを組んで参画し、商品開発を行ったりプロモーションを行ったりして成果を競うというものです。私は、スパのプロモーション担当で、実際のお店をどのようにプロモーションすればよりお客さんが来るかを考えました。そのために、まずは店の情報収集やお客さんのニーズ調査など全て英語で行う必要がありました。フロリダに行った経験もあったので日常会話はできるという自負もあったのですが、ビジネスの英語は難しく、また、初めての土地で見ず知らずの人にアンケートするという心理的なハードルも高かったです。

Q 瀧宮さんのチームでは具体的にどのようなことに取り組まれたのですか。
A 私たちのチームは、私のほかに仙台大学と立教大学から来ている方の3人チームでした。担当するスパのお店が目立たないところにあったのでまずは目立たせるために、また、Natural SPA という店名のイメージが伝わりやすくするために外観に緑の芝を敷きました。また、店内の装飾のために植物を並べたり、現地の材料でハーバリウムを置いたりと店舗全体のイメージアップを図りました。企画内容は渡航前にある程度打ち合わせも行いますが、現地で材料を購入したり、業者と価格交渉を行ったり、スパに来た方にインタビューを行ったりと短い期間に全て英語で行う必要があるのでなかなか大変でした。途中の中間発表のプレゼンも当然英語ですが、現地店舗の社長や武者修行プログラムの役員など偉い方の前だったのでプレッシャーもあり、話す内容が飛んでしまうというハプニングもありました。

Q 今回の経験の中で学んだことや成長を感じた点などはありますか。
A 事前にフロリダでの留学も経験しましたので、英語には多少自信があったのですが、まだまだだめだと痛感しました。現在はこの経験を踏まえて英語をさらに勉強してTOEICも受けようと思っています。それから、人の気持ちを受け入れやすくなったと思います。実は、10日目くらいにチーム内で企画の内容がまとまらなくて3人がバラバラになるほど大喧嘩してしまいました。お互い企画に対して意見を言い合うのですが、私の言い方が批判しているばかりに聞こえたようです。批判ばかりではなくまずは相手の意見を受け入れてから自分の意見を言わないといけないということを指摘されました。今では仲直りもしていますし、機会があればまた会いたいと思います。

Q 高校までと比べて大学のギャップタームは長く設定されていますが、滝宮さんのなかでこの期間をどう活かしたいですか。
A 私にとっては自分自身何かに挑戦する期間だと位置づけています。遊びも兼ねながらですが、自分が一皮むけるような成長につながる期間にしたいと思っています。今回の経験を通して視野が広がったと感じています。化学に限らず、違う視点も自分の成長に取り入れていければと思います。

Q 来年以降もギャップタームはありますが、後輩に向けてメッセージなどありますか。
A 人それぞれやりたいことは違うので好きに活用していいと思います。ただ、将来後悔しないような過ごし方をしてほしいです。遊びばかりでもいいですが、将来も見つめながら自分に合っているものを探して色々なことに挑戦してほしいと思います。1日では紹介できない経験をしてほしいですね。