海外生活を通じて、積極的に交流する姿勢を身につける(生物資源科学部・M.Y)

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Q まずはMさんご自身の専攻や研究について教えてください。
A 生物資源科学部農林生産学科に所属しています。4年生ですので、現在は地球温暖化が進む中で高温に耐えうるイネの栽培方法をテーマに卒業論文に取り組んでいます。イネの品種には様々あり、日本の品種であるジャポニカ米は、東南アジア等で栽培されるインディカ米に比べて高温に弱い品種です。私の関心は、品種を改良をすることよりは、栽培の方法を改良することで今後の地球環境に対応できるようにならないか、ということにあります。また、実家が兼業農家でしたので、高校生の頃から農業には興味がありました。農業は好きなので、将来は実家の農業を手伝いたいと思っています。

Q 今年のギャップタームの期間にはどこに行きましたか。
A  8月20日頃から約1か月、カナダのウォータールー大学に語学研修に行ってきました。今年の前半、就職活動の結果、海外にも拠点がある会社から内定をいただきました。今後の仕事で英語が必要だということ、元々海外に興味はあったのですがなかなか行く機会がなかったということもあり、語学力を向上させたい、もっと視野を広げたいと考えて、思い切って参加しました。参加したのは鳥取大学が主催する海外語学研修で、島根大学では「英語海外研修A」という授業です。ウォータールー大学のサマーセッションで英語の授業を受けたほか、放課後や土日には現地の住民や学生と交流したり、旅行に行ったりしました。

Q 海外研修中の経験で印象的だったことなどはありますか。
A 特にカナダでの生活面が印象に残っていて、自分にとっては生きる力を試されているような感覚がありました。日常生活ではもちろん日本語が通じませんので、分からないことがあったら、ためらわずに積極的に質問しないと生きていけません。日本に戻ってからも、積極的な姿勢で臨むことは大事なことだと考えるようになりました。また、カナダでは、私たちが思っているよりも外国の方は日本にあまり関心がないのではないかとも感じました。カナダは移民の受け入れに寛大な国だからかもしれませんが、アジア系はみんな中国人というイメージがあるようです。

Q 語学研修に参加したわけですが、英語に対する関心はもともとあったのですか。
A もともと父から英語を使えるようになりなさいという指導を受けていました。それもあって、英語そのものに関心があったというよりは、英語が使えないと生きていけないという実感があります。また、違う言語が使えると、できることが増えるという思いもありました。研究室に留学生が来ているのですが、語学研修に行く前は言葉も分からないし、避けがちでしたが、研修後は助けたいと思うようになりました。

Q ウォータールーはどんなところでしたか。
A 自然豊かな住宅街という印象です。市街地では路面電車やバスが充実しており生活がしやすいですし、少し郊外に行けば自然豊かな静かな住宅街となっていて治安もよかったです。国土が広いからか車社会で、自転車はほとんど見かけませんでした。元々カナダに対してイメージはあまりなかったですが、ウォータールーの地元の方々はとても人柄もよく優しい印象を受けました。バスを利用する際にも乗車時や降車時に運転手さんと乗客が気軽に挨拶を交わしますし、障がいを持つ方や移民の方などマイノリティへの配慮も感じられました。

Q カナダではどんな人と知り合いましたか。
A 今回の研修には島根大学から私を含めて3名が参加しました。他には東北大学の学生もいましたし、メキシコ、エクアドル、中国や韓国など様々な国の方と知り合うことができました。滞在中は一人暮らしのおばあさんの家でホームステイをさせてもらいました。その方は私で8人目のホームステイとのことでしたが、日本人は初めてだったそうです。

Q ギャップタームの使い方に関して、後輩やこれから大学生になろうとしている高校生に向けてメッセージなどありますか。
A 今しかできないことをやってほしいと思います。私は3年生までは馬術部の部活動が忙しくて海外には行けませんでしたが、4年生になって海外に行くことができました。社会人になってからではできないようなことなど、大学生のうちに経験してほしいと思います。